Dr.げち

医学と社会の歴史

ビールと地図でコレラを止めた男——ジョン・スノウと疫学の誕生

1854年ロンドン・ソーホー、10日間で500人以上がコレラで死んだ。顕微鏡も細菌の知識も持たない一人の医師が、死者の住所を地図にプロットしていく。浮かび上がったのは、ブロード街の水ポンプだった。疫学誕生の物語。
薬・感染症の歴史

マスタードガスから生まれた化学療法——戦争兵器が抗がん剤研究を変えた経緯

1917年、イープルの塹壕で初めて使われたマスタードガスは、第一次大戦で最も恐れられた兵器になった。その25年後、同じ化学物質の兄弟分子が、人類初の抗がん剤として患者に投与される。化学療法が戦争兵器から生まれた経緯。
栄養と疾病の歴史

船乗りの壊血病が栄養学を生んだ──東インド会社のレモン汁と185年越しのビタミンC発見

「レモン汁を飲めば治る」と分かっていた。しかし「なぜ治るのか」が分かるまでに150年かかった。歯茎が腐り、古傷が開き、全身が痛んで死ぬ——海軍の作戦と帝国の盛衰を左右した壊血病と、現代栄養学の誕生をたどる。
外科・手術の歴史

戦場の顔面破壊が美容整形を生んだ──第一次大戦とハロルド・ギリーズの皮膚移植革命

機関銃と砲弾の破片が兵士の顔を奪った第一次世界大戦。前例のない規模の顔面損傷に向き合った外科医ハロルド・ギリーズが独力で築いた皮膚移植・再建の技術は、戦後そのまま「美容整形外科」の土台になった。その数奇な出発点をたどる。
薬・感染症の歴史

洋服を染める工場が「魔法の弾丸」を生んだ──アニリン色素と化学療法薬の意外な親戚関係

1856年、18歳の学生がマラリア特効薬の合成に失敗し、黒いドロドロを作った。フラスコを洗おうとしたとき、それは鮮やかな紫に変わる——世界初の合成染料モーヴだ。「洋服の色」が「魔法の弾丸」になるまでの60年。
古代・奇妙な医療

ヨーロッパ人はミイラを粉にして飲んでいた──万能薬「ムミア」と偽造ミイラ産業の闇

中世ヨーロッパの薬局には、粉末にしたエジプトのミイラが当たり前のように並んでいた。都市伝説ではない。フランシス・ベーコンも薬として論じ、何百年も飲まれ続けた。万能薬「ムミア」と、それが生んだ偽造ミイラ産業の闇。
外科・手術の歴史

19世紀の外科医は「速さ」が命だった——28秒の切断術と南北戦争が生んだ近代外科

麻酔のない時代、外科医の腕は「速さ」で測られた。意識のまま激痛に耐えられる時間には限界があるからだ。その極致に立つのが「最速の外科医」ロバート・リストン。彼が象徴する時代と、南北戦争が生んだ近代外科をたどる。
外科・手術の歴史

あの赤白ポールは「血まみれ包帯」だった──床屋外科医と瀉血、1000年の歴史

街角の赤白ポールの正体は、血を吸った包帯である。中世ヨーロッパで床屋は外科手術を行い、その最大の業務の一つが瀉血だった。なぜ理髪と外科が同じ職業だったのか——あのポールが今に伝える1000年の歴史をたどる。
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