聴診器、X線、心電図、CTスキャン、ペースメーカー、人工透析、人工関節——現代医療を支える「機械」たちにも、それぞれの誕生物語があります。恥じらいから生まれた聴診器、ナチス占領下でソーセージの皮から作られた人工腎臓、抵抗器の取り違えから生まれた埋め込み型ペースメーカー、写真技術から派生したX線写真。発明の現場には予期せぬ偶然と粘り強い改良の積み重ねがあります。技術が医療をどう変えてきたかを、装置の構造とともに描きます。
医療器具・技術の歴史 潜水艦を探す音が、胎児を映した——超音波エコー診断の歴史
潜水艦を探す音が、胎児を映した——超音波エコー診断の歴史
妊婦健診で、お腹の中の赤ちゃんの姿をモニターに映し出す——今では当たり前の光景だ。あの白黒の画像を生み出す「超音波(エコー)」は、X線のように放射線を使わず、痛みもな...
医療器具・技術の歴史 あの茶色い消毒薬の正体——ヨウ素が傷を守るまでの200年
あの茶色い消毒薬の正体——ヨウ素が傷を守るまでの200年
手術室で、皮膚を茶色く染めるあの消毒薬を、私たちは毎日のように使っている。「ポビドンヨード」、商品名で言えば「イソジン」や「ベタダイン」。手術前に術野をくるくると塗り...
医療器具・技術の歴史 抵抗器を取り違えた日——ペースメーカーは「失敗」から生まれた
抵抗器を取り違えた日——ペースメーカーは「失敗」から生まれた
1956年、ニューヨーク州バッファロー。
エンジニアのウィルソン・グレイトバッチ(Wilson Greatbatch)は、心拍のリズムを記録する装置を作って...
医療器具・技術の歴史 ソーセージの皮で腎臓を作った男——人工透析、戦火が生んだ命の機械
ソーセージの皮で腎臓を作った男——人工透析、戦火が生んだ命の機械
1943年、ナチス・ドイツ占領下のオランダ・カンペン。
一人の若い内科医が、奇妙な機械を組み立てていた。回転する木製のドラムに、巻きつけられているのはソ...
医療器具・技術の歴史 骨を折ったら、どう治すか——骨折治療4000年の技術史
骨を折ったら、どう治すか——骨折治療4000年の技術史
1945年、第二次世界大戦の終結後、連合軍の帰還兵たちがヨーロッパから戻ってきた。
戦地で負傷した兵士の一部が、大腿骨の中に奇妙な金属の棒を持ち帰っていた。X線を...
医療器具・技術の歴史 木の足から電動の足へ——義足・義肢3000年の歴史
木の足から電動の足へ——義足・義肢3000年の歴史
1861年6月3日、南北戦争が始まってまだ2ヶ月も経っていないバージニア州フィリッピ。18歳の工学部学生ジェームズ・ハンガーは南軍の騎兵隊に志願したその日、砲弾の破片で右脚を失った。...
医療器具・技術の歴史 磁気テープを車で運んだ時代——CTスキャンが医療を変えるまで
1971年、人類初のCTスキャン。磁気テープを車で20km運び、画像が出るまで2日間待った。80×80ピクセルの脳断面図が、気脳術という地獄を終わらせた。ビートルズ資金説は俗説——本当の資金源はイギリス政府だった。スキャン時間「5分/スライス」から現代の「0.3秒/回転」まで、54年の技術革命。
医療器具・技術の歴史 鉄の箱の中に生きる——鉄の肺と、ポリオと戦った72年間
1952年、6歳でポリオに感染したポール・アレクサンダーは72年間を「鉄の肺」の中で生き、弁護士になり、本を書き、TikTokに動画を投稿し続けた。コペンハーゲンでは1,000人の学生が手動で肺を動かし続け、それがICUの誕生につながった。人を金属の箱に閉じ込めた機械が変えた医療の歴史。
医療器具・技術の歴史 象牙からセラミックへ——人工関節130年の素材進化史
象牙からセラミックへ——人工関節130年の素材進化史
人工関節の歴史は、「何で作るか」をめぐる130年の格闘の歴史だ。
体内に異物を埋め込み、関節の動きを代替するという発想は19世紀末にすでに存在した。問題は、人体の中...
医療器具・技術の歴史 「見えない圧力」を測る——血圧計の誕生と高血圧が「病気」になるまで
「見えない圧力」を測る——血圧計の誕生と高血圧が「病気」になるまで
1896年、イタリアの医師スキピオーネ・リバ・ロッチ(Scipione Riva-Rocci)が、ゴム製の袖帯(カフ)と水銀柱を組み合わせた装置を発表した。
これが現代の...