Dr.げち

医学と社会の歴史

出島の「山オランダ人」——シーボルトが江戸日本に遺した西洋医学と、地図が招いた追放

1823年、出島に上陸したドイツ人医師シーボルトは、訛りを「私は〝山オランダ人〟だ」と言い訳した。鳴滝塾で西洋医学を教え、日本を調べ尽くし、そして一枚の地図をめぐって国を追われる。日本の近代医学に遺した光と影。
医学と社会の歴史

千円札の細菌学者・野口英世——「美談」と「実像」のあいだ

貧しい農家から世界的研究者へ——千円札の細菌学者・野口英世の立身出世物語。だがその裏には浪費癖と膨大な借金、そして「華々しい研究成果の多くが後に誤りと判明した」という事実がある。美談と実像の両面からたどる。
薬・感染症の歴史

スペインは濡れ衣だった——史上最悪のパンデミック「スペイン風邪」1918年の真実

1918年、わずか2年ほどで推定5000万人を奪ったインフルエンザ。だがこの病はスペインで生まれていない——なぜ無関係の国の名がついたのか。なぜこれほど死んだのか。現代の「マスク」と「隔離」の原点となったパンデミック。
古代・奇妙な医療

鉄棒が頭を貫いても生きた男——フィニアス・ゲージと「脳が人格を作る」という発見

1848年、長さ1.1メートル・重さ6キロの鉄棒が25歳の男の前頭葉を貫いた。彼は意識を保ったまま立ち上がり、生き延びた——だが人格が変わってしまう。「脳が人格を作る」という近代脳科学の出発点になった症例、フィニアス・ゲージの全貌。
栄養と疾病の歴史

医師が尿を舐めていた時代——糖尿病2000年、「甘い尿」を追いかけた診断の歴史

血糖値も試験紙もない時代、医師は自分の舌を検査機器として使っていた。17世紀の医師が残した「驚くほど甘い」という一文から、diabetes mellitus という病名の語源まで。2000年かけて「甘い尿」を追いかけた糖尿病診断の歴史。
医学と社会の歴史

女王が麻酔を嗅いだ日——「産みの苦しみ」と無痛分娩をめぐる150年の論争

1853年、ヴィクトリア女王は8人目の出産でクロロホルムを嗅いだ。投与したのは後に「疫学の父」と呼ばれるジョン・スノウ。「産みの苦しみは神が女に与えた罰」という数千年の観念が、この一例から揺らぎ始める。無痛分娩150年の論争。
古代・奇妙な医療

手足が黒く焼け落ちる「聖なる火」——麦角中毒とヨーロッパを襲った見えない毒

手足が黒く炭のようになって脱落する病、村ごと痙攣と幻覚に襲われる病。中世ヨーロッパが「聖アントニウスの火」と呼んで恐れたこの災厄の正体は、ライ麦に寄生する小さな黒い菌だった。麦角中毒がヨーロッパを襲い続けた歴史をたどる。
薬・感染症の歴史

乳搾りの娘の言い伝えが、人類唯一の勝利を生んだ——ジェンナーと天然痘根絶

「牛痘にかかった乳搾りの娘は天然痘にかからない」——18世紀イギリス農村の言い伝えに、一人の田舎医師が着目した。致死率約3割の病に挑んだその検証が人類初のワクチンを生み、人類が根絶できた唯一の感染症へとつながる。
栄養と疾病の歴史

1日200グラムの生レバーが命を救った——悪性貧血とビタミンB12発見の物語

1926年ボストン。余命数か月と告げられた悪性貧血の患者に出された処方は、「生のレバーを1日200グラム食べること」だった。不治の病が食事だけで治った——1934年のノーベル賞と、ビタミンB12発見へとつながる発見の物語。
古代・奇妙な医療

愛されすぎて絶滅した薬草——古代の万能薬・避妊薬シルフィウムの謎

古代ギリシャ・ローマで「銀と同じ重さ」で取引された薬草シルフィウム。万能薬とされ、避妊薬として使われ、採り尽くされて絶滅した。その正体は何だったのか、本当に避妊効果はあったのか、ハートマークの起源説は本当か。
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