Dr.げち

医療器具・技術の歴史

磁気テープを車で運んだ時代——CTスキャンが医療を変えるまで

1971年、人類初のCTスキャン。磁気テープを車で20km運び、画像が出るまで2日間待った。80×80ピクセルの脳断面図が、気脳術という地獄を終わらせた。ビートルズ資金説は俗説——本当の資金源はイギリス政府だった。スキャン時間「5分/スライス」から現代の「0.3秒/回転」まで、54年の技術革命。
医療器具・技術の歴史

鉄の箱の中に生きる——鉄の肺と、ポリオと戦った72年間

1952年、6歳でポリオに感染したポール・アレクサンダーは72年間を「鉄の肺」の中で生き、弁護士になり、本を書き、TikTokに動画を投稿し続けた。コペンハーゲンでは1,000人の学生が手動で肺を動かし続け、それがICUの誕生につながった。人を金属の箱に閉じ込めた機械が変えた医療の歴史。
外科・手術の歴史

刺繍師が教えた命綱——アレクシス・カレルと血管縫合の誕生

「血管は縫えない」という19世紀外科学の常識を覆したアレクシス・カレル。彼はリヨンの名刺繍師マリー=アンヌ・ルルーディエに師事し、タバコの薄紙に針を通す練習を重ねた。そこから生まれた三角縫合法が、65年後の心臓移植につながる。
医学と社会の歴史

禁酒法時代の工業用アルコール政策——アメリカが直面した公衆衛生上の悲劇

禁酒法時代のアメリカで、連邦政府は工業用アルコールにメタノールをはじめとする毒物を意図的に添加した。密造業者はそれを精製して販売し、市民が死んだ。政府は「自業自得」と言い続けた。1926年のクリスマスシーズン、ニューヨークだけで400人以上が死亡した。
薬・感染症の歴史

禁酒法と医師の処方権——アルコールをめぐるアメリカ医療の特殊な歴史

1920年代のアメリカ禁酒法時代、医師は「医療用」としてウイスキーを処方できた。年間1100万枚の処方箋、6万4000人の医師、4000万ドルの収益——そして現代日本でも「ぶどう酒」は今なお医薬品として収載されている。
医学と社会の歴史

「治す」から「生きる」へ——リハビリテーション医学はいつ生まれたか

「治す」だけでなく「生きる」まで扱うリハビリテーション医学はいつ生まれたのか。二度の世界大戦、ポリオの流行、そしてハワード・ラスクという医師の革新——その誕生の歴史を辿る。
医療器具・技術の歴史

象牙からセラミックへ——人工関節130年の素材進化史

象牙からセラミックへ——人工関節130年の素材進化史 人工関節の歴史は、「何で作るか」をめぐる130年の格闘の歴史だ。 体内に異物を埋め込み、関節の動きを代替するという発想は19世紀末にすでに存在した。問題は、人体の中...
医学と社会の歴史

エジソンは「問題児」だったのか——ADHDという視点で偉人を読み直す

エジソンは「問題児」だったのか——ADHDという視点で偉人を読み直す インターネット上に広く流通している話がある。 エジソンが学校から「あなたの息子は精神薄弱です」と書かれた手紙を持ち帰ったとき、母親がその内容を隠し、...
古代・奇妙な医療

「お世辞を言う」と煙草浣腸——テムズ川沿いに設置された18世紀の蘇生キットの話

「お世辞を言う」と煙草浣腸——テムズ川沿いに設置された18世紀の蘇生キットの話 英語に「blow smoke up someone’s ass」という慣用句がある。日本語にすれば「お世辞を言う」「でたらめを吹き込...
医学と社会の歴史

「ランプの貴婦人」ではなく統計学者だった——ナイチンゲールがグラフで官僚を動かした日

「ランプの貴婦人」ではなく統計学者だった——ナイチンゲールがグラフで官僚を動かした日 「ランプを持った天使」——フローレンス・ナイチンゲールに対するこのイメージは、世界中に広まっている。夜の病棟を歩き回り、傷ついた兵士たちの...
タイトルとURLをコピーしました