Dr.げち

古代・奇妙な医療

梅毒の世界的伝播と日本上陸——戦国時代の医師たちが直面した新興感染症

コロンブスの「土産」が室町に届いた——梅毒の日本上陸と戦国医師たちの困惑 1493年、クリストファー・コロンブスがスペインへ帰還した。 彼が持ち帰ったのは金と香辛料だけではなかった。ヨーロッパが一度も経験したことのない...
医療器具・技術の歴史

重さ270kgの機械が捉えた「心臓の叫び」——アイントホーフェンと心電図の誕生

重さ270kgの機械が捉えた「心臓の叫び」——アイントホーフェンと心電図の誕生 1903年、オランダのライデン大学の研究室に、異様な装置が据えられた。 重さ270キログラム。5人の技師が操作する。心臓の鼓動ひとつを記録...
医療器具・技術の歴史

ノーベル賞を2度とった女性の遺品は今も放射線を放つ——マリー・キュリーと放射能の発見

フランス国立図書館(パリ)の書庫に、鉛で裏張りされた箱がある。 中には1890年代のノートや手紙が保管されている。閲覧を希望する研究者は、放射線防護の誓約書に署名してから入室する。 ノートの持ち主は130年前に死んでい...
医療器具・技術の歴史

静脈に薬を直接入れるという革命——注射器の発明と医療を変えた「針」の歴史

薬を体に入れる方法は、長い間「口から飲む」しかなかった。 飲み込まれた薬は胃腸を経由し、肝臓で代謝され、ようやく血液に入る。効果が出るまでに時間がかかり、胃腸での分解を受け、量のコントロールが難しい。 「もっと速く、確...
医療器具・技術の歴史

太った女性患者の胸に耳を当てられなかった——ラエンネックと聴診器誕生の物語

1816年、パリのネッケル病院。 フランスの医師ルネ・ラエンネック(René Laennec)は、困っていた。 目の前には心臓疾患を抱えた若い女性患者がいた。当時の診察では、医師は耳を直接患者の胸に当てて心音を聴く「直...
外科・手術の歴史

脳に穴を開けて生き延びた——トレパネーションと人類最古の外科手術7000年史

世界中で最も多く発見される「手術の痕跡」は何か。 縫合の跡でも切断の跡でもない。頭蓋骨に開けられた穴だ。 新石器時代(約7,000〜10,000年前)の頭蓋骨に、丸く削り取られた穴が見つかっている。そしてその穴の縁には...
外科・手術の歴史

世界初の心臓移植——クリスチャン・バーナードと現代心臓外科の夜明け

1967年12月3日、南アフリカ・ケープタウン。 午前1時過ぎ、グルート・シュール病院の手術室に9人の外科医チームが集まった。 これからしようとしていることは、前例のない行為だった。死んだ人間の心臓を取り出し、別の人間...
薬・感染症の歴史

柳の皮が心臓を救った——アスピリン誕生と3500年の痛み止めの歴史

古代エジプトの柳の葉から始まり、1897年のバイエル社による合成、そして「なぜ効くか」の解明まで72年。その解明が頭痛薬を心臓発作の予防薬に変えた。年間1,000億錠が消費される白い錠剤の3,500年の旅。
薬・感染症の歴史

92日間で糖尿病を倒した犬たち——バンティングとベスト、インスリン発見の物語

1921年夏、研究実績ゼロの外科医と22歳の大学院生が、借り物の実験室と10頭の犬でインスリンを発見した。翌年1月、骨と皮の14歳の糖尿病少年が注射後に歩き出した。92日間の実験が「死の宣告」を覆すまでの物語。
栄養と疾病の歴史

病気を診ずして病人を診よ——高木兼寛と脚気、そして東京慈恵医科大学の誕生

宮崎出身の海軍軍医・高木兼寛は、龍驤号と筑波号の比較航海というデータで「脚気の原因は食事だ」と証明した。しかし陸軍は「細菌感染説」を信じて拒否し、日露戦争で約27,000人が脚気で死亡。高木が創設した東京慈恵医科大学に今も生きる「病気を診ずして病人を診よ」という言葉の誕生と、故郷・宮崎への医師研修という現代への連鎖を辿る。
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